AIに渡す道具を5つに絞った理由|AIに任せる土台キットの設計
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本記事で紹介するのは当ブログ運営者が開発した自社製品です(販売ページ: FOREST LIFE SHOP)。他社サービスの比較記事ではなく、自分で作ったものの設計をそのまま説明する記事です。
AIエージェントに仕事を任せたい。でも自分のパソコンの中を好きに触らせるのは怖い。この折り合いをどこでつけるか、という話です。
渡した道具は5つだけ
AIに何でもできる権限を渡すと、間違えたときの被害が青天井になります。そこで、MCPサーバーがAIに渡す道具を5つに限定しました。
記録をさわる
- upsert_item
- 1件 登録/更新
- get_item
- 1件 取得
- list_items
- 一覧
- set_item_status
- 状態の更新
外を読む
- fetch_page
- 公開ページの読み取り
この5つに、シェルを実行する道具も、パソコンのファイルを書き換える道具も入っていません。コンテナにホストのフォルダを渡していないので、そもそも届きません。
制限しすぎに見えるかもしれませんが、逆です。できることが決まっていると、任せられる範囲もはっきりします。「何をされるか分からない」状態では、結局こちらが全部見張ることになります。
データベースは、外から触れない場所に置いた
記録を貯めるPostgreSQLは、ホストにポートを開けていません。外部インターネットを遮断したネットワークの中だけに置いています。
つまり、AIが記録を読み書きする経路は、さきほどの4つの道具しかありません。データベースに直接つなぐという抜け道がない状態です。
外に出る経路は fetch_page の1本だけで、これにも遮断を入れました。リダイレクト先も含めて、プライベートアドレスやループバックアドレスへの取得を拒否します。社内向けのサービスを踏ませる、という使い方ができないようにするためです。
AIに「憲法」を持たせた
道具を絞っても、AIが平気で「それらしいこと」を書く問題は残ります。そこで、守らせるルールを1枚のファイルに書いて同梱しました。
絶対禁止の筆頭は、数字・実績・事実の捏造です。出典のない数値や「達成率◯%」のような実績を書かせません。
さらに、公開や実行の前に人間が確認するチェックリストを3場面ぶん、計13項目用意しています。1つでも×があれば、公開も実行もしない。最後に人間が止められる場所を、構造として残しています。
ページを取りに行って本文が取れなかったときも、AIはその項目を埋めません。「取れなかった」という印を立てて、要確認のまま残します。埋めてしまうより、空欄のほうが安全だからです。
同梱しているもの
- 全9章の解説書(図版12点)。なぜこの構成にしたのかを、部品ごとに追える形にしています
- マニュアル3種。テキスト版、図解つきの通常版、専門用語をかみ砕いた「やさしい版」
- デモ動画2本(1分40秒/25秒)
docker-compose.yml、MCPサーバー実装、PostgreSQLスキーマ、n8n連携ワークフロー- AIエージェント用の指示書テンプレート
- 骨格を1つの用途に作り変えた完成例(読んで学ぶためのもので、単独では動きません)
n8n をつなぐと、AIが整えてOKが出た記録を、ボタン一つでMarkdownファイルに書き出せます。この経路だけは実ファイルが生まれます。
バージョンは固定して配っています。postgres:17、n8n は 2.36.9。最新版を自動で掴む設定にすると、購入した時期によっては私が一度も確認していない組み合わせを引くことになるためです。
正直に書いておくこと
- 動作確認は macOS で行っています。 Linux と Windows(WSL2 + Docker Desktop)は同じ構成で動く想定ですが、実機での確認はまだです
- 解説書の付録(用語辞典・トラブルシュート集・操作ガイド)は、まだ収録していません。 本文から参照だけがある状態です。今後のアップデートで追加します
- Docker と、Claude Code などのAIエージェントが動く環境が別途必要です。 キットを構成するソフトは無料・オープンソースですが、AIエージェント側の利用料金はかかります
- AIエージェント本体とのやりとりは、そのサービスの提供元へ送られます。ローカルに閉じているのは、蓄積したデータの置き場所です
向く人・向かない人
向く人は、AIエージェントを仕事に使いたいけれど、権限をどこまで渡すか決めかねている人です。「なぜこの構成なのか」が9章ぶん書いてあるので、自分の用途に合わせて削ったり足したりできます。
向かない人は、設定せずにすぐ動く完成品を求めている人です。Docker を立ち上げ、設定ファイルを1つ書き換え、スキーマを流す作業が最初にあります。また、AIに自由にファイルを触らせたい人にも向きません。このキットは、その逆を目指して作ってあります。
入手先
ダウンロード版(¥4,980・税込)です。なお、本キットにAIモデルは含まれません。働き手として使うAIエージェント(Claude Code など)は別途ご用意いただきます。購入者ご本人と、所属する組織の内部での業務利用にお使いいただけます。改変も自由で、これを使って作った成果物にライセンスの制限はかかりません。